「ホームルーターはやめたほうがいい」という意見は、一部の人や条件によっては本当です。
しかし、ホームルーターの特性にメリットを感じる人にはむしろお勧めしたいほど。
ここでは「ホームルーターはやめたほうがいい」との見方について深堀りして解説します。
WiMAXのホームルーターを5年以上使い続けている私におまかせください。
ホームルーターはやめたほうがいい3つの理由
世間で「ホームルーターはやめたほうがいい」と言われているのは、こんな3つの理由からです。
- 光回線と比べると回線速度が遅い
- エリアや環境によって回線速度がまちまち
- 回線が切れることがある(安定度が低い)
光回線と比べると回線速度が遅い
ホームルーターはやめたほうがいい理由の1つ目が「光回線と比べると回線速度が遅い」点。
平均的なダウンロード速度 | |
---|---|
ホームルーター | 140Mbps |
光回線 | 300Mbps |
ホームルーターは家での固定回線として使われるため、最大のライバル(比較候補)が光回線になります。
しかし、平均的なダウンロードのスピードでは光回線の半分以下とかなり劣ります。
また、平均的なアップロード速度ではさらに光回線との差が大きくなります。
平均的なアップロード速度 | |
---|---|
ホームルーター | 16Mbps |
光回線 | 200Mbps |
インターネット回線には何より「スピード」を求める人からすると
ホームルーターを選ぶやつは情弱、絶対やめたほういい。
と厳しい意見を口にするもの無理ありません。
エリアや環境によって回線速度がまちまち
ホームルーターはやめたほうがいい理由の2つ目が「エリアや環境によって回線速度がまちまち」な点。
ホームルーターが受信する電波は、以下の条件で「強い/弱い」に影響がでます。
- 周囲に基地局があるか?
- 周囲に高い建物があるか?
- 設置場所の建物の構造(壁の厚さ・素材・窓の有無など)
同じプロバイダの同じホームルーターを使っても、上記の条件次第で速度は左右されます。
同じエリアに住んでいる知人が「スピードが出るよ」と言っても、自分の家ではスピードが出ない可能性も……。
どれくらいの速度が出るかは、実際に試してみないことには分からないのが正直なところです。
8日以内なら契約キャンセルが可能に
もしホームルーターを設置してみて電波が入りづらい、極端に遅いと判明した場合には、契約のキャンセルが可能です。
- 端末が到着後から8日以内
- 事務手数料3,300円は自己負担(WiMAXの場合)
という条件で申し込みを取り消すことができます。
これは「初期契約解除制度」という法的な決まりのため、すべてのWiMAXプロバイダで共通しています。
電波状況が不安な方もこの制度があるおかげで、ビクビク恐れずに申し込めますね。
回線が切れることがある(安定度が低い)
ホームルーターはやめたほうがいい理由の3つ目が「回線が切れることがある(安定度が低い)」点。
ホームルーターは宙を飛んでいる無線の電波をキャッチして通信を行うため、光回線のような「有線」よりも安定感で劣ります。
ネット利用中に突然回線が切れて、しばらくすると何事もなく復旧する……なんてことがたまにあります。
これは私もつねづね実感している不満点のひとつですね。
「ホームルーターはやめたほうがいい」と言う人が誤解している4つの点
「ホームルーターはやめたほうがいい」と声高に主張する人は、認識の誤りから批判しているケースも多々あります。
そんな誤解している代表的な点がこちらです。
- 【誤解その1】使いすぎると速度制限がかかる
- 【誤解その2】光回線と比べても料金は安くない
- 【誤解その3】契約住所以外で使えない
- 【誤解その4】契約期間の縛りがあり解約には違約金が発生する
【誤解その1】使いすぎると速度制限がかかる
確かに以前のWiMAXは「3日で15GB」以上使うと、翌日から速度制限かかっていました。
しかし、2022年2月1日よりそのルールは撤廃され、データの使用容量は無制限に変更。
一応は以下のように注意喚起はされています。
より多くのお客さまにWiMAX +5Gを快適にご利用いただくために、一定期間内に大量のデータ通信のご利用があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限する場合があります。
引用:WiMAX +5Gサービス ネットワーク混雑回避のための速度制限について|UQ WiMAX(wifi/ルーター)【公式】
しかし、よっぽど常軌を逸した使い方をしない限り、速度制限はかかりません。
大容量のゲームをダウンロードしたり、動画配信サービスで毎日映画を見たりするくらいではまったく問題ないですよ。
【誤解その2】光回線と比べても料金は安くない
ホームルーターは速度が出ないわりに料金が高いからゴミ
なんて印象を持っている人も多いと思いますが、それは誤解です。
回線の種類 | 月額料金の相場 |
---|---|
ホームルーター(WiMAX) | 3,000~4,500円 |
光回線(戸建て) | 5,000~6,000円 |
光回線(マンション) | 4,000~5,000円 |
ホームルーターのなかでも特にWiMAXは、プロバイダが20社以上もあって競争が激化!
その結果、料金はかなり安い水準まで落ちています。
光回線は安さを売りにしている場合、大抵それはマンションなど集合住宅の場合。
戸建てに光回線を引くのは、まだまだ高いのが現状ですね。
【誤解その3】契約住所以外で使えない
「ホームルーターは契約時に記入した住所以外では使えない」のは一部のプロバイダだけであり、WiMAXならどこでも持ち運びができます。
契約住所以外で使えないホームルーター |
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持ち運び可能なホームルーター | WiMAXのホームルーター |
携帯電話大手3社が提供するホームルーターはすべて契約住所以外で利用すると利用停止処分をくらいます。
一方、WiMAXのホームルーターならどのプロバイダで契約しても、自由に持ち運んで使うことができます。
【誤解その4】契約期間の縛りがあり解約には違約金が発生する
ほんの少し前までは契約期間が2~3年と決まっていて、期間内に解約すると違約金が発生していました。
しかし、現在は契約期間の縛りは撤廃され、それにともない解約違約金も発生しなくなっています。
ホームルーターはやめたほうがいい人
私は思う「ホームルーターはやめたほうがいい人」はこの3つの条件に当てはまる人です。
- WEB会議やオンラインゲームをする人
- 高画質の動画を頻繁にアップロードする人
- 光回線を引くまでの繋ぎに使いたい人
WEB会議やオンラインゲームをする人
ホームルーターはときどき回線が切れて、不通になるときがあります。
また、時間帯によってはスピードが落ちることも。
そのため、安定した通信環境が求められるWEB会議やオンラインゲームを目的とする場合には適しません。
どれくらいの頻度で回線落ちが発生するかは、ホームルーターを設置する場所によるとは思いますが……。
高画質の動画を頻繁にアップロードする人
ホームルーターは下り速度に比べて上り速度(アップロード)は、不釣り合いなほどスピードが出ません。
そのため、YouTube等に高画質の動画を頻繁にアップロードする人には向きません。
尺が短いショート動画ならストレスは感じないと思いますが。
光回線を引くまでの繋ぎに使いたい人
ホームルーターを光回線を引くまでの繋ぎに使いたい人は、テザリングで十分だと思います。
または、レンタル式のポケットWi-Fiが向いているでしょう。
ホームルーターをおすすめしたい人
私が思う「ホームルーターをおすすめしたい人」は以下の3つの条件にあてはまる人です。
- 通信費の節約のためなら速度は犠牲にしてもいい人
- 頻繁に引っ越す人
- 「回線工事」が不要に魅力を感じる人
通信費の節約のためなら速度は犠牲にしてもいい人
ホームルーターと光回線は月額料金に1,000~2,000円程度の差があります。
わずかでも通信費を節約できるなら、多少速度は遅くてもいい人ならホームルーターが最適。
ただ、ホームルーターは光回線と比べれば低速とはいえ、一般的な用途(ネット閲覧や動画鑑賞)には不都合がないスピードですよ。
頻繁に引っ越す人
転勤などで頻繁に引っ越す人は、開通までに工事などで「時間と手間」がかかる光回線は向いていません。
WiMAXのホームルーターなら日本全国どこでも持ち運びが可能であり、手続きも不要です。
引っ越したその日にコンセントに繋ぐだけで、すぐネットが開通するので時間も手間もかかりません。
「回線工事が不要」に魅力を感じる人
ホームルーターは光回線のように回線工事が不要で、届いた端末にSIMカードを差し、コンセントにつなげばOK。
一方、光回線の回線工事はこんなデメリットがあります。
- 工事業者との工事日程の調整が必要
- 工事が済むまでやきもきと待たないといけない
- 戸建の場合、家にケーブルが繋がれて美観を損ねる
だったらホームルーターでいいや、と思う人も多いハズ。
ホームルーターはやめたほうがいい?まとめ
- ホームルーターが向かない人もいるのは事実
- しかしホームルーターの特性が合う人もいる
- すべてはその人の環境や用途次第
これが結論です。
私がホームルーター愛用者だからではありませんが、まだまだ世間には誤解している人が多いので
ホームルーターはいいぞ!
と声を大にしていいたいですね。